ソフトウェア開発におけるプログラミングでは、「デザインパターン」と言って、「この場合はこう書く」という決まり文句、イディオムのようなものが存在しています。先人の知恵を活かすことによって効率よく洗練されたソフトウェアデザインを実現し、より中身のロジックに集中してプログラム開発をすることができます。IT企業のプログラミング研修でも、ソフトウェア工学の授業でも、デザインパターンの習得は重要なトピックとなっています。
現役のITプロフェッショナルが運営するterakoya人形町では、子ども向けビジュアルプログラミング言語であるscratch jrにおいても、プロ向けプログラミングと同じ思想が役に立つと考えています。
terakoya人形町では、scratch jrのパターンを独自に開発しています。scratch jr講座のカリキュラムでは、ひと通り基本操作を身につけた後は、これらのパターンを順に習得していくように構成しています。作品をつくる際のアドバイスも「ここは『ごっつんこ』と『ほうこうてんかん』を組み合わせたらどうかな?」というような教え方をします。複数のパターンを組み合わせてどんどん高度なプログラムを作っていくことができるので、子どもたちも初心者から中級・上級に無理なくステップアップしてくことができ、つまづきやすい箇所をクリアしてオリジナリティある創作に集中することができます。
パターンには、scratch jrのブロックにそのまま名前をつけたような単純なもの、プログラミングのコツやお約束的もの、いくつかのブロックを組み合わせるやや複雑なものまで、いろいろとあります。
本サイトでterakoya人形町で開発したパターンを順次紹介していきます。以下がカタログです:
パターン#1「よーいどん」
複数のキャラクターを同時に動かすパターンです。「みどりのはた」ブロックを使います。
パターン#2「ごっつんこ」
キャラクター同士がぶつかった時に動作をさせるブロックです。ゲームっぽい作品を作るときにはよく使います。
パターン#3「ほうこうてんかん」
移動ブロックを「ずっとくりかえし」ブロックで使っていて、途中で方向転換したい場合、ただ別方向の移動ブロックを入れるだけだとうまくいきません。もとの「ずっとくりかえし」が動いたままになっているためです。こういう場合は、一度「ストップ」ブロックを入れるのがポイントです。
パターン#4「めくってつなげる」
自動的に次々とページをめくるように、複数のステージをつなげて動かすパターンです。動く絵本をつくる時に使います。ページ移動ブロックに、みどりのはたブロックを組み合わせるのがポイントです。
ボタンを押すとキャラクターが動くようにするパターンです。ゲームを作るときには役立ちます。「てがみ」ブロックを使います。